旅日記M 最終日タオス 「キリスト」と「ミカエル」
一足先に帰国する恵美ちゃんを空港に送り、
残留2人きりとなった「爆走=陽子ちゃん」と わたし。
とうとう、最終日となってしまった。
4人分の朝食のチケットがあったので
(安いわりにボリュームたっぷりの朝食がレストランで食べられる
=サンタフェのダウンタウンから車で5分ほどのところにあるモーテル、
ベストウェスタン・ランプライターイン。おすすめです。
プールも部屋も広いよ)
2人でしっかり4人分食べて、もっと安い宿に移るためにチェックアウトし、
その足でタオスまで出かけることにした。
タオス・プエブロ。
ネイティブアメリカンの集落。
2年半前にニューメキシコを訪れたときにも
このタオスの村で仲良くなった銀細工をするおじさんとか、
それに良いセージスティックを作っているファミリーを訪ねたかった。
サンタフェから北へ1時間くらい走り山を抜けたところにタオスの町があり、
そこからさらに北にタオスのプエブロはある。
が、しかし・・・今回、なにかのセレモニーのためか、
タオスプエブロは公開されていず、住民以外はゲートから先には入れなかった。
陽子ちゃんとわたしはしかたなく、タオスのダウンタウンをまわった(クリスタルショップもあった)。
まだ早い時間だったけれど、ちらほらと雪がちらついてきたので
(タオスはスキー場で有名。「ANGELS FIRE」なんていうスキー場があったりする)
雪に閉ざされるとまずいのでサンタフェに戻ることにして早めにタオスを発った。
その帰り道にこの旅で一番といっていいほど印象的なことがあった。
友達のためのマリア像を探していた陽子ちゃんとわたしは、
道端の露天にいろんなマリア像が並んでいるのを見つけた。
走りながらだったのでゆきすぎてしまい、ちょうど左側に広場のようなものがあったので、
そこに車を停めてみた。
そこは、教会の前だった。
普通、教会の正面は道路に面していると思うのだけれど、
その教会はすっかり道路に背を向けて立っている。
道路からは 十字架さえみえず土壁づくりのその教会は
ちょっと変った「蔵」のように見えるだけだったのだけれど。

雪がちらつき、あたりには人影はなかった。
車をとめ、引き込まれるようにその教会に入ってみた。
なかにも誰もいず、礼拝堂はしんとしていた。
そこへ、外からひとりの黒人女性がきて(わたしには男性に見えた。すごーく中性的な人だった)
なにかを英語で話し掛けた。
わたしははっきりいってほとんど聞き取れなかったが
なにかこのへんで「絵」を探している・・・が知らないか?
ということだったらしい。(語学堪能の陽子ちゃんによると)
よくわからないながら NOと答え、しばらくして外に出るともうその人の人影はなかった。
まわりは古い建物ばかりで、廃墟のようだった。
ある建物の前にとても小さな張り紙があり
それに「MYSTERY PAINTING」と書いてある。
「さっきの人が探していたのは この「PAINTING」のことだったのかも・・・」
とのぞいていると中から ギギーっと ドアが開き・・・・
おじいさんがひとり出てきて
「君たちもこの絵を見てみたいかい?どうぞお入り」と言うではないか。
一瞬ひるむ私たちだったが、「お金はいらないからね、いいから入って・・・」
といざなわれるままに扉をくぐった。
奥の部屋に通されるとそこに2人の人がすでにいて、
そのうちの1人はさっきの人だった。
互いににこっと微笑み、椅子にこしかける。
部屋ではその教会に関する 歴史などをつづったビデオテープが流れていた。
ニューメキシコに現存する一番古い アドービ作りの教会らしく、
上空から見ると、その建物のかたちそのものが
十字架をかたどっているらしいことがわかった。
ビデオもともかく、その部屋の正面には、大きなキリストの絵がかかっていて
こちらを見ているようでそれが気になっていた。
5分ほどのビデオが終わると、おじいさんが出てきて
わたしたち4人に、この絵の前にたてという。
そして、電気が消えて真っ暗になる。
わたしたちはしばらく目を閉じている。
さあ、目を開いて・・・という言葉で目を開くと・・・
そこにキリストの影があった。
絵そのものが光っていて、そこにキリストのシルエットが現れた。
まさにそこに「たっている」ように黒く浮かび上がっていた。
そしてさっきの絵ではなかったはずの、十字架と、光の輪のようなものが
そのキリストの影の後ろにはっきりと浮き出していた。。
この絵こそがこの教会の「ミステリーペインティング」だった。
科学的にはこの、シルエット現象の理由は解明されていず、
人によっては
光の輪が見えたり見えなかったりヘブライ語の文字や
船(わたしには船が見えた)が見えるなどといういろんな現象があるらしい。
おじいさんはいろいろ説明してくれていたが、
わたしにはなによりそのキリストの存在感が強烈で
まるでほんとうにこの自分の目の前に彼が立っているようで
その感覚に始終圧倒されていた。
「守護天使」で始まり、いくつもの十字架雲にいざなわれた旅であり、
その最終日で偶然、こんな体験に導かれていることに内心驚いていた。
その部屋を出てから、まだどきどきしながらもその廃墟的な一角をぐるりと回ってみた。
一軒だけ、開いているギフトショップがあったので入ってみた。
そこでフォークアートの流木で作られた天使の像と
いくつかの手作りのセージスティックを買った。
「不思議な体験をしたね」と話しながら
車に戻っていくところに呼び止めるひとがいた。
さっきのショップで見かけた男性だ。
彼は突然、わたしたちを追いかけてきて
「これを君たちにプレゼントするよ。
はい、これは君に、
そしてこれは君に」
それは、重い素焼きタイルに描かれた絵。
彼は地元の絵描きであり、その一角の店の看板を描いたりしているらしかった。

行きずりの絵描きさんにいきなりプレゼントされてしまったタイル絵。
「大天使 ミカエル」
陽子ちゃんに渡されたのは、ピカソ風、2つの顔を持つ女性の肖像。
(これが陽子ちゃんにそっくり)
そして私にくれたのは、「大天使 ミカエル」の像なのだった。
片手に天秤、片手に剣を持っている。
オーラソーマを学んでいる人は知っているかもしれないけれど、
わたしがセドナで買った「ガーディアンエンジェル」というボトル(44番)は
大天使ミカエルと強くつながっている、らしい。
そしてキリストとも。
すべてはつながっている、いざなわれている?
単なる偶然の連続なのかもしれないけれど、
わたしにとっては十分なメッセージだった。
雪が降るタオスでの不思議な出来事でした。
つづく(翌朝のびっくり事件、まだ終わらない旅 へ)