宮崎 (2) 宮崎への出張〜「ワイオピピ」2階で起きたこと

そんなるりちゃんが1999年の夏に宮崎神宮の近くでお店(雑貨屋さん)を始めました。
お店の名前は「ワイオピピ」ハワイ語で真珠貝の涙 という意味だそう。
海の好きな彼女らしい・・・。

その1年後の2000年の初秋くらいかな・・・彼女との長距離電話での会話。

「るりちゃんのお店も見てみたいし、宮崎にも行きたいな。 でも何か口実がないと、店を残しては行きづらいんだよね〜 オーラソーマもやり始めたし、けっこう面白いから、宮崎でやんない? セッションしにボトル持って出張するよ〜ん♪」

・・と、かなり軽い会話だったような気がする。(実際に「・・よ〜ん♪」とかは言わなかったけどさ)

るりちゃんもかる〜く 来てよ来てよ! (遊びに・・・) という感じだったように思うのだが。
出張の口実にという気持ち半分で、(一応・・)ボトルを持って宮崎入りしてみると。  なんと・・・ふたをあけてびっくり。 予想をかなり超えたすごい人数の人たちが、個人セッションの予約リストを埋めて待っていてくれたのだ。

なんたって、オーラソーマ自体が初めて!という面々。もちろん初対面。
さらに、お店のオーナーである、るりちゃん自身がセッションを受けたことがないわけで、 オーラソーマとは何か??からボトルやポマンダーの成分や使い方までを ひとりひとりに説明しなくてはならない。
セッション枠は1時間で取っているとはいえ、実際は1時間では終われるはずもなかった。

25人以上の予約・・・1日6人くらいでも8時間以上は少なくともかかるから〜・・・。ええと〜・・・!
連日の過密なスケジュールで、 ご飯を食べる時間もなかった〜ような記憶がある。ほんと、いまは笑い話になっているほど。

でも・・この(過酷な)体験は大きなギフトに繋がっていたのです。
無我夢中での連続セッションの最後の人が終わったときのこと・・・。
不思議な感覚が身体の中を走る。
はっと気づくと、涙を流している自分がいた。

ちょうどそのとき使っていた大天使ミカエル(94番)のボトルに向かって手を合わせて、 「ありがとう」ありがとう・・ってつぶやいていた。
何度思い返しても、あれは不思議な光景だ。我ながら・・・。

自分の感情というより、もっと奥から沸いてくるパッション。
大げさなんだけれど、過去のすべてが「いまここ」に繋がっていたことに気づいてしまったという感じ。
わたしはこの瞬間のために生きていたのだ! 
そして、そのことに、 わたしのなかの誰かが 歓んでいる!
自分が泣いているというより、魂が泣いているような。
すごい恍惚感だった。

たぶん、あれは自分にとっての、何かの臨界点だったんだと思う。
はじけた。中から何かが出てきた。 自分の核心に近いものが・・・。出遭ってしまった。 という感じ。

セッションが立て続き次第に瞑想状態に入っていたんだと思う。
時間も詰まっているし、一期一会でこの人にいつまた会えるかわからない という思いもあったし、全身全霊でそこにいることしか出来なかったこと。それとちょうどいい具合に余力が無いぶん力も抜けてて、いろいろな状況が重なって偶然に起きた状態だったんだと思う。

そのときのセッションが自分でも思うけど凄かった。
互いのエネルギーがボトルのエネルギーと混じりあっていく醍醐味を実感することが何度もあった。

映画「千と千尋の神隠し」のなかで私が一番好きなシーン。
龍が自分の名前を思い出す ところ。
自分の名を思い出したとたん、空を飛ぶ龍の鱗がきらきらとはじけて飛び散り、龍は自分自身を取り戻す。

あのシーンみたいに・・・
4本のボトルを前にしたその人に、1本目のボトルの名を告げた瞬間、その場のエネルギーだったり その人の瞳の輝きだったり、オーラ・・みたいなもの?が 一瞬にして変わるのだ。

そう、空中で龍からきらきらとはじけた鱗が飛び散るように。

その人が「名前」を思い出した瞬間、その輝きがフラッシュする。

本人が気づくこともある。
1本目のボトルの名を伝えたとたんに、泣き出す人もいる。 気づいているとしてもいないとしても、 その人の魂が、自分の名前を聞くことによって(自分の色と向き合い意識化することによって) より強く輝きを増す瞬間なのだ。まるでその部屋ごと、まばゆいフラッシュがたかれたようになる。

これはすごい。

何人もの人が そうなるのを見て わたしは感動していた。

「みんな 知っているんだ ! 心のどこか 魂のどこかで、 自分の名前を、質を、使命を、あきらめない何かを 持っているんだ そしてそれを:思い出す:ということは なんて美しい贈り物なんだろう!!」


すべてが繋がっていた。
彼らの美しい瞬間に何度も立ち会うことができたことで、 わたしのなかの鱗もきっとはじけていったのだろうと思う。
涙が溢れていた。
すべては「いまここ」 に繋がっていたのだ。
辛い過去も、出会いも別れも、いろいろなものが一本の線でつながり、 「いまこの瞬間」に結晶化している・・ ミカエルのボトルの色を見つめながら・・そう感じていた。

つづく



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